いかないうちに忘れてしまう?正しい耳抜きの方法は?
はじめに
ダイビング初心者にとって、関門の1つとも言われている耳抜き。耳抜きが出来ていた人も、久しぶりのダイビングとなると感覚が違ってくるのではないでしょうか。今回は、耳抜きに不安を抱えるダイバーの皆さんへ、耳抜きのコツをお教えします。
そもそも耳抜きが必要なのは、鼓膜に加わる圧力が理由です。もともといた場所から、気圧の異なる場所に移動すると、鼓膜の外側(外界)と内側(耳管)に気圧差が生じます。飛行機の離着陸時や、エレベーターで高層階へ移動したときも同じです。
この気圧差を解消するのが、耳抜きなのです。
耳抜きの方法とコツ
それでは、具体的にどうすれば耳抜きができるの?という問いにお答えしたいと思います。耳抜きには、3種類ほど方法があります。
1.バルサルバ法バルサルバ法は、最も一般的な耳抜きの方法です。鼻を手でつまんで、口を閉じ、鼻をかむようにして空気を送ります。
2.フレンツェル法鼻をつまみ、舌根(舌の奥部分)を持ち上げるだけで出来る耳抜きの方法です。フレンツェル法は一番耳に優しい耳抜きと言われています。
3.トインビー法トレインビー法は鼻をつまんでつばを飲み込む方法で、簡単に耳抜きができます。
耳抜きがなかなか難しいという方へのアドバイスとしては、「潜る前に飴やガムを食べること」と「抜きたい方の耳を上にするように首を傾けて耳抜きすること」があります。
あごを動かして飴やガムを食べると、自然とつばがでやすくなります。すると、上で説明したトレインビー法で耳抜きがしやすくなります。ただし、飴やガムを食べながらダイビングをすることは非常に危険なので、潜る前に食べましょう。
抜けない方の耳を上にすると、水中で空気は上に上がろうとする性質から、耳抜きをしたときに抜けやすくなります。これでも抜けない場合、少し浅い場所に移動し水圧を下げて耳抜きをしてみましょう。
耳抜きができない原因
耳抜きが上手くできない原因は、耳管が細くなってしまっていることが挙げられます。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などをお持ちの方は、耳抜きが難しいと感じるかもしれません。ダイビングをする前には、数日前から抗アレルギー剤を病院で処方して貰い、服用しましょう。
また、前日にアルコールを摂取しすぎても、むくんで耳管が細くなるため、耳抜けがしづらくなってしまいます。
耳抜きをしないとどうなる?
耳抜きを上手にできないと、だんだんと耳の奥が「キーン」と痛んできて、最終的には鼓膜に穴が空くことで海水が中耳に入り込んでしまいます。
水深10mくらいまでは、少なくとも1mにつき1回程度耳抜きをしましょう。耳に違和感があったら、そこで耳抜きを行ってください。こまめに行うことで、耳へのダメージを小さくすることができますし、耳抜き自体もしやすくなります。
潜る前に耳抜きをしてみて、抜けが悪いと感じる日には、ダイビングを控えるという決断も必要でしょう。
耳が痛い!と感じてからでは手遅れです。耳抜きができない場合、ダイバーのみなさんは、焦って無理に潜り続けるのではなく、耳抜きできてから深いところに進むように心がけましょう。